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●日本モンテッソーリ教育綜合研究所 監修●Gakken(2023年4月)●23×23.1cm/56頁●定価1,800円(税込1,980円)●対象:3歳から
藤井聡太さんを育てた、と話題のモンテッソーリ教育。ご家庭でもシールで楽しみながら体験ができます。多彩なシール遊びは手や指を使う練習になり、色や形への興味を引き出し自立心を育てます。シールの上から自由に色をぬったり模様をかきこむことができます。シール1942枚付き。
●瀧靖之 総監修 小宮輝之 監修●Gakken(2022年4月)●21.7×19cm/96頁●定価1,000円(税込1,100円)●対象:3〜6歳
身の回りや動物園・水族館で見られる人気の動物265種類を紹介。名前と写真を結びつけやすく、初めてふれる図鑑として楽しめる情報も掲載。子どもだけでも、親子でも楽しめます。
●アグ・ヤトコフスカ 絵 みたかよこ 訳●大日本絵画(2014年10月)●25.8×25.6cm/10頁●定価2,300円(税込2,530円)●対象:3歳から
毎年クリスマスにはお祭りがある、グリーンオークウッド。今日は特別な宝さがしの日! パーティー会場のクリスマスツリーに向かうこみちにプレゼントが隠されています。動物の子どもたちは、プレゼントを見つけられるかな?
●なかがわりえこ 作 やまわきゆりこ 絵●福音館書店(2002年2月)●各12.6×12.6cm/各24頁●定価1,400円(税込1,540円)●対象:3歳から
リズミカルなことばと楽しい絵でお届けする「言葉」と「数」の絵本。お出かけに便利なかわいいミニサイズの絵本です。 【セット内容】●ぐりとぐらのあいうえお ●ぐりとぐらの1・2・3
●金沢百枝 著●新潮社(2024年1月)●21.7×15.5cm/288頁●定価3,500円(税込3,850円)
ロマネスク美術の研究者が、中世ヨーロッパの美術とともに天地創造、楽園追放、ノアの箱舟など旧約聖書の物語を紹介する。著者の解説はユーモアたっぷりで、厳粛な宗教画の中に愛らしい仕草の登場人物やユーモラスな動物を見つけて思わず笑いが込み上げる。時代を追って聖書の言葉と作品をたどるうちに、これまで漠然としていた旧約聖書の世界が理解できて西洋美術をより楽しめそう。(万)
●ブティック社 編●ブティック社(2019年11月)●25.7×18.4cm/96頁●定価1,000円(税込1,100円)
クリスマスにひとつでも手作りのものがあると気分が上がります。布を切って縫うのはもちろん、布を厚紙に貼ったりして作る飾りやプレゼントも素敵。クリスマスツリーや折り紙のような星、家のオーナメント、コースターやカードなど子どもにも作れそうな作品も。お気に入りの布で作れば、ほかにはない自分好みのクリスマスを演出できます。家族で作ればみんなの楽しい思い出にも。(空)
●ジャネット&アラン・アルバーグ 作 佐野洋子 訳●文化出版局(2006年10月)●20.2×23.3cm/32頁●定価1,800円(税込1,980円)※対象年齢:幼児から
クリスマスイブの1日、ゆうびんやさんは大忙しです。ゆうびんやさんが配達するお手紙は、すごろく、パズルなど、それぞれ楽しい工夫が盛りだくさん。お話に出てくるお手紙を実際に絵本から取り出して、読めて、遊んで楽しめるしかけ絵本です。最後にゆうびんやさんがサンタクロースから特製のお手紙をもらいます。ぜひ、実物を見て楽しんでください。プレゼントにもおすすめです。(春)
●瀬戸佳子 著●文化出版局(2024年1月)●18.8×12.8cm/134頁●定価1,600円(税込1,760円)
胃腸が弱いのは生命力が弱いに等しいという薬膳師の言葉にドキッとし、1週間で胃腸がよみがえるスープを試しました。食べやすくて消化もよく、心からおいしいと感じられるように変化。朝は食欲のなかった中学生も、このスープは完食して出かけて行きます。胃腸を弱らせている生活習慣を見直すこと。流行りの断食やスムージーは自分に合うのか。ていねいな解説ですぐに始められます。(友)
●山本ゆりこ 監修●リベラル社(2023年11月)●15.9×11.5cm/252頁●定価1,500円(税込1,650円)
北欧のシナモンロール、フランスのタルト・タタン、台湾の豆花など世界各地で愛されてきたお菓子。四季折々の和菓子。エクレア、サバランなどの日本に定着したレトロな洋菓子。その特徴や歴史がかわいらしい写真とともに紹介されています。さらに芸術家・文豪が愛したお菓子やお菓子と文学、豆知識……お菓子の魅力がたっぷり。みんなお菓子が大好き!小さな本から大きな幸福感が広がります。(玲)
●阿部かなこ 著●KADOKAWA(2023年4月)●21×14.8cm/191頁●定価1,500円(税込1,650円)
「トマト麹」はパスタソースやドレッシングに使える万能な調味料に。ねぎやにんにく入り「中華麹」はひとさじ入れるだけで本格中華料理の味に。コンソメを「玉ねぎ麹」に替えればいつもの洋食がグンと深みある味わいへ。あれこれ調味料を使わずとも味が決まる上、アンチエイジングや体調改善も期待できる麹は私たちの強い味方!日常からおもてなしまで幅広いレシピで麹使いの達人になれそう。(な)
●南雅子 著●SBクリエイティブ(2019年7月)●21×15cm/127頁●定価1,200円(税込1,320円)
股関節に痛みが出て整形外科へ。そのときに医師から教わった体操と同じものが紹介されています。 40代からは筋力が弱りはじめ上半身の重みが股関節への負荷になるとあり、私もそうなのだと納得。歩ける寿命を延ばす上で重要な股関節の機能を保つための知識、歩き方のクセ修正法、ストレッチなどお金も時間もかからず一読して損はなし。まさに「転ばぬ先の杖」となる一冊です!(な)
●加藤俊徳 著●主婦の友社(2023年8月)●21×14.8cm/127頁●定価1,400円(税込1,540円)
もの忘れがひどくあわててこの本を開きました。忘れたと気づくうちは大丈夫とあり一安心。脳は鍛えないと衰え、もの忘れを放置するかしないかで今後に大きく差が出ます。生活習慣のチェックテスト、もの忘れを減らせる方法、脳を刺激する体操で使えていない脳の神経部分が活性化できる。イキイキした脳を取り戻す普段からできる工夫を紹介。もの忘れパターンにはもう大笑い。あるある!(友)
●笠原麻里 著●日本評論社(2022年7月)●18.8×13cm/214頁●定価1,600円(税込1,760円)
「親が子をぎゅっと抱きしめることが必要なのは、その子が本当につらいとき」。多くの親がドキッとする言葉だ。忙しい親の様子や複雑な家庭環境、学校でうまく立ち回れない日々が子どもの心の負担になり、ときに名のつく症状となる。実際に児童精神科を訪れた子どもたちの臨床が、専門的ながら平易に綴られ腑に落ちる。我慢強く子を見守ることが、子育てにおいて最重要。困る前に読んでおきたい。(な)
●萬田緑平 著●河出書房新社(2022年6月)●18.8×12.9cm/213頁●定価1,300円(税込1,430円)
著者は、最期まで目一杯生きることを支える「生き抜き屋」と称するがん患者専門の在宅緩和ケア医。「終末期の身体の状態について、医学でわかっていることはわずか」「病院の医師が知っているのは、治療を続けて亡くなっていったケースだけ」との言葉に納得。延命治療(胃ろう・点滴・抗がん剤)との向き合い方も考えさせられた。自分なりの死生観を持つためのチェックシートも有益。(薫)
●工藤香 著●自由国民社(2024年3月)●17.8×13.1m/367頁●定価1,700円(税込1,870円)
スイス在住20年の著者が紹介するスイスの暮らし。スイスは九州ほどの大きさで4つの公用語が使われているそう。美しい景色や自然の写真に魅了されるのはもちろん、スーパーに並ぶ食品の数々にも目を奪われます。ハイジやアルプスだけでない日常の暮らしの中に小さな幸せを感じられ、人々の意外な一面を知ることができます。石造りのランドヴァッサー橋にいつか行ってみたいな。(み)
●ミシェル・オバマ 著 山田文 訳●KADOKAWA(2023年9月)●19.4×13.5cm/355頁●定価2,400円(税込2,640円)
今も絶大な人気を誇るミシェル・オバマ。前作『マイ・ストーリー』の読者から寄せられた「声」に応えて、不安な時代を生き抜く方法を自らの体験をもとに語る。「安心して怖がる」、彼女を表す言葉となった「気高く生きる(go high)」などの言葉が心に響く。知性や行動力だけでなく、コロナ禍に編み物に夢中になったことやお笑い番組が大好きというチャーミングな一面にも魅了された。(万)
●円満字洋介 著・写真●エクスナレッジ(2023年9月)●21×14.8cm/255頁●定価1,800円(税込1,980円)
街歩きの最中、思わず足を止めて眺めたくなる名建築。由来がわかると散歩もいっそう楽しくなりますよね。京阪神の名建築を巡る散歩ルートを50も紹介する欲張りな企画の本。修復建築家ならではの解説を読めば、ますます現地で拝見したくなります。距離や所要時間などの情報もばっちり。地図に示された「ひとやすみ」スポットも気になるところ。観光旅行とはひと味違う街が見えてきそうです。(空)
●加納亜美子+玄馬絵美子 著●翔泳社(2024年1月)●25.7×18.3cm/255頁●定価2,700円(税込2,970円)
贈答品の洋食器を上手に使うコツを知りたい方も多いのでは。実用的な楽しみ方に加え、メーカーの特長と歴史が美しい写真で紹介され充実した一冊。日本の生産者の実直な仕事が西洋文化に強烈な影響を与えたなど、知られていない歴史も多く掲載。なじみのある洋食器が歩んだ歴史を知ると愛着が増してきます。昭和レトロと呼ばれる花柄のグラス。令和の若者たちが買い集めているそう。(友)
●RIKU 著●辰巳出版(2023年12月)●18.2×18.2cm/96頁●定価1,500円(税込1,650円)
ライオン、トラ、ヒョウなどの大型ネコ科動物は、肉食で獰猛なイメージですが、この写真集ではまったく違う表情を見せています。親にかまってほしくて甘えるしぐさも、きょうだいとじゃれ合う様子も、舌先のしまい忘れも、へそ天も……まさに「ほぼねこ」、愛おしい! 会社員でありながら、週末、動物園をまわって写真を撮っている著者。動物への愛情、優しいまなざしを感じます。(a)
●岩崎政利 著●亜紀書房(2023年5月)●18.8×13.1cm/173頁●定価1,700円(税込1,870円)
長崎・雲仙で40年有機農業を営み、年間50種近くの在来種野菜の種を採る著者。今、一般に流通する種の多くは種苗会社が開発したもので、代々守り継がれてきた在来種は希少になりつつある。著者の語る農は、苦労はあれども、種をあやす喜び、種と人との関わりの素晴らしさに満ちている。命を継いでいこうと野菜が花を咲かせる瞬間の美しさを語る言葉が、大地から優しく響いてくる。(亜)
●リュシー・ブリュヌリエール 作・画 前田まゆみ 訳●パイ インターナショナル(2023年2月)●18.5×20m/10頁●定価1,400円(税込1,540円)※対象年齢:赤ちゃんから
持ち手の穴に手を入れて絵本を振ると、「シャカ シャカ」と音が鳴るボードブックです。わが子の成長をおだやかに見守る言葉と、カラフルでかわいいイラストが印象的。絵本を振るとボードブックの中のしかけが動き、色が変わります。絵の一部が変わる瞬間を見つけるのも楽しいです。心地よい音と色の変化で、赤ちゃんの五感を刺激しながら、大人も一緒に楽しみましょう。(春)
●スティーヴン・クレンスキー 作 S.D.シンドラー 絵 こみやゆう 訳●好学社(2023年10月)●22×27.5cm/32頁●定価1,600円(税込1,760円)※対象年齢:幼児から
ふくよかな赤ら顔のサンタクロース。彼にも若くてスマートな時期があったとは! 都会に暮らしていた若かりしサンタさんは、煙突掃除や郵便配達、サーカスなど、いろいろな仕事を転々としていました。あるとき、小人たちに招かれ、それがサンタクロースの始まりに。何度失敗してもめげない、人間味あふれるサンタさんのおかげで、ますますクリスマスが楽しいものになりそうです。(七)
●H・ストルテンベルグ 作 菱木晃子 訳 さとうあや 絵●福音館書店(1999年10月)●21.7×15.3cm/121頁●定価1,200円(税込1,320円)※対象年齢:幼児から
あるできごとをきっかけに、バレエの美しさに魅せられてしまった馬。一生懸命バレエの練習に励む姿や、目の前に立ちはだかった悲しみを周囲の人に支えられ健気に乗り越えていく姿に、何度も胸が熱くなりました。長い物語を聞くのが初めてだった6歳の息子も、お話のテンポの良さとかわいい挿絵のおかげで、最後まで楽しめたようです。絵本よりすこし長いお話のスタートに、ぜひどうぞ。(楽)
●北川佳奈 作 くらはしれい 絵●岩崎書店(2022年2月)●21.6×15.3cm/78頁●定価1,200円(税込1,320円)※対象年齢:小学校中学年から
カカオの町に暮らす、板チョコのクーちゃんとぎんがみちゃん。仲良しのふたりが織りなす四季折々の日々を描いた物語が8話収められています。性格も好きなものも違うけれど、お互いを大切に思うふたりの温かい関係にほっこり。チョコレート色の文字や人気のイラストレーター・くらはしれいさんのレトロでお洒落な挿絵は物語にぴったりです。手元に置いて大事にしたい一冊になりそうです。(C)
●ルース・ソーヤー+アリソン・アトリーほか 文 上條由美子 編・訳 たかおゆうこ 絵●福音館書店(2012年10月)●20.8×15.8cm/195頁●定価1,500円(税込1,650円)※対象年齢:幼児から
子どもたちが心待ちにするクリスマス、それは小さな奇跡が起きる日でもあります。ルース・ソーヤー、ルース・エインズワース、アリソン・アトリーなど、童話の名手たちが手がけた9つの短編は、胸躍る巧みさと大人もホロリとしてしまう優しさがいっぱいで、クリスマスだけの読みものにしておくのはもったいないほどです。たかおゆうこさんのかわいらしい挿絵もたっぷりです。(法)
●ルビー・ブリッジズ 著 千葉茂樹 訳●あすなろ書房(2024年1月)●18.5×13.5cm/63頁●定価1,300円(税込1,430円)※対象年齢:小学校高学年から
著者は6歳だった1960年、米国で黒人として初めて、白人だけが通う小学校に入学しました。反発した大人たちが憎悪をむき出しにする中、4人の連邦保安官に付き添われ、1年間休まずに登校しました。40枚の写真から当時の様子がわかります。表紙は画家ノーマン・ロックウェルがルビーを描いた作品「私たちすべての問題」の一部。差別は他人事ではありません。〈一歩〉の大切さを感じます。(あ)
●ピーター・シス 作 福本友美子 訳●BL出版(2022年3月)●31.2×23.5cm/64頁●定価2,200円(税込2,420円)※対象年齢:小学校高学年から
ホロコーストから669人の子どもの命を救った人がいることを知っていますか? イギリス人のニコラス・ウィントン、通称ニッキー。17歳以下の子どもを難民として受け入れる手続きを行ない、プラハからロンドン行きの汽車に乗せた、その人です。ヴィエラはニッキーに助けられたひとり。1939年の夏から50年以上、誰も知ることのなかった2つの物語が交差し動き始めます。(理)
●内田有美 文・絵 満留邦子 料理 三浦康子 監修●福音館書店(2024年11月)●19.4×26.8cm/32頁●定価1,000円(税込1,100円)※対象年齢:幼児から
それはそれは精緻に描かれた絵に、「くろまめ ぴかぴか あまい まめ まめまめしく くらせますように」のように、お料理の由来が願いごとをするような優しい言葉になって添えられています。里芋をなぜ六角に切るのか、小魚をなぜ田作りと呼ぶのか初めて知りました。おせちを全品作るのは難しいですが、先人たちが伝えて来た幸せを願う心を次世代へ手渡してあげられたらと思います。(法)
●笠原将弘 著●KADOKAWA(2019年10月)●25.7×18.2cm/111頁●定価1,700円(税込1,870円)
人気料理店店主が30年間の試行錯誤の末、たどり着いたおせち。「田作り」に「黒豆」といった伝統的なおせちから、普段のごちそうにもなる「和風ローストビーフ」などのレシピも紹介。盛り込みに飾り切りの方法、雑煮のレシピも参考に。「おせち作りのスケジュール」に沿って効率的な準備も可能。料理の美しさにうっとり。今年はこの本とともに、新年を迎える準備を始めます。(薫)
●枝元なほみ 著●●PHP研究所(2010年4月)●25.7×18.3cm/86頁●定価1,300円(税込1,430円)
「米粉は水で溶くだけで生地が完成。あとは好きなものを混ぜるだけで、バリエーションは無限大」。エダモンの手にかかれば、クレープ、タコス、おやきにチヂミ……なんでも米粉で作れてしまう。普段の料理でも唐揚げは表面カリッと中はジューシー、ホワイトソースはダマにならない、といいことづくめ。これまで米粉を使いこなせなかった私も、今ではヘビーユーザーになりました。(万)
●暮しの手帖社 編●暮しの手帖社(2024年11月)●28×21cm/184頁●定価1,200円(税込1,320円)
「わたしの手帖」は阿川佐和子さん。一対一でコミュニケーションを交わす醍醐味を語ります。「おもてなし」の料理記事は、旬の食材を使った料理が評判のビストロ「永福食堂」さんによる、ローストチキンが主役のイタリアン。もうひとつは、中華料理愛好家の酒徒さんによる北京風「豆腐の土鍋煮込み」など。年末のお掃除に、家庭の書類をすっきり整理する方法も参考になりそうです。(芙)
●南塚信吾+油井大三郎+木畑洋一+山田朗 著●岩波書店(2023年8月)●18.8×13cm/264頁●定価2,300円(税込2,530円)
ウクライナ、パレスチナと各地で争いが激化し、世界中で防衛力強化の潮流が高まっている。日本でも北朝鮮のミサイル発射、台湾有事などを理由に、防衛費の大幅増額、敵基地攻撃能力の容認と防衛力強化が叫ばれる。本書は「軍事力で平和は守れるのか」という問いに、近現代の戦争の研究者たちが歴史学の視座から論じる。戦争・軍事・平和を巡る人類百余年の営みはどのようなものだったのか、世界・日本の戦争の歴史から軍事力が持った意味を問い直し、平和への教訓を探る。軍事力で平和は守れるのか、歴史は明確に答えを示している。(か)
●笹尾俊明 著●岩波書店(2023年9月)●17.3×10.8cm/200頁●定価920円(税込1,012円)
3R(リデュース・リユース・リサイクル)を唱え循環型社会を推進してきた日本だが、欧州では「循環経済」への移行が進んでいるという。循環経済とは3Rに留まらず、生産・流通の段階から資源再生を前提とし、コストや環境を考慮しながら資源循環を最適に行なおうとする成長戦略で、日本にとっても喫緊の課題だと著者は訴える。実現には供給網から消費スタイルまで根本的に見直す必要があるだろう。食品ロスやプラスチック問題などもくわしく取り上げられており、私たちの行動も問われている。持続可能な社会のための新しい経済の形を展望する本だ。(星)
●朱喜哲 著●太郎次郎社エディタス(2023年8月)●18.8×12.8cm/269頁●定価2,200円(税込2,420円)
コロナ禍で「正義・公正」を耳にすることが多かったがそこには「己の」という衣がちらつき胡散臭さが漂った。本書はジョン・ロールズの「正義論」などを軸に米国のトランプ現象、日本の道徳教育の事例をあげ、まずは善と正義を区別することから論を進める。善は個人の価値観で各々違うが、正義は個人の枠を越え多様な人々が共存するための社会システムであるととらえる。そこでの多様な声をすくいあげる「公正としての正義」のしくみを実現させるために「会話をとめないこと」が大切であると説く。言葉は人、そして社会を作るのだと改めて考えさせられた。(よ)
●宇根豊 著●岩波書店(2023年11月)●17.2×10.5cm/181頁●定価900円(税込990円)
著者は農学博士で百姓をしている。田んぼに入るとそこで出会うさまざまな生きもの、オタマジャクシ、カエル、クモ、ツバメなどや稲と対話する。田んぼでは毎年同じ生きものに会えるという安心感がある。「農」とは「いのちの引きつぎ」を人の手で責任をもって行なう行為の積み重ねであり、食べられていく「いのち」と自分の「いのち」は同じ。現代社会では、生産の効率が重視されていて、仕事の喜びや楽しさが犠牲にされている。読んでいて生活クラブの生産者の田んぼの風景を思い出しました。ジュニア新書ですが大人にも読んでほしい一冊です。(洋)
●坂本龍一 選書・語り 空里香 監修●バリューブックス・パブリッシング(2023年9月)●19.3×13.6cm/286頁●定価2,000円(税込2,200円)
漱石から小津安二郎、現代の思想家まで、坂本氏が心を揺さぶられた36人が並ぶ。語られるのは、その人から、その作品から刺激を受け、考えたこと。瑞々しい感動とそこから紡がれる思索に接すると、彼を形作っていたのは尽きることのない好奇心だったのではないかと思えてくる。そして36人それぞれに一冊の本が添えられる。この本たちは彼が巡った跡、その全体が坂本氏そのもので、大きな知の森をなしているように見えてくる。まさに『坂本図書』と呼ぶにふさわしい。(水)
●佐治晴夫 著●アノニマ・スタジオ(2022年9月)●17.6×13.5cm/237頁●定価1,600円(税込1,760円)
理学博士であり、長年教育現場に関わってきた著者によるショートエッセイ集。少年時代に経験した太平洋戦争、研究に明け暮れた日々など、87年あまりの歳月と日々の思いが書かれている。「月がなかったら、音楽はなかった?」「宇宙に学ぶ人生の歩き方」など、壮大な宇宙が私たちとつながっているというロマンチックなエピソードの数々。科学に疎い私にもわかりやすく、わくわくしながら楽しく読みました。科学のみならず音楽や詩、人生の哲学など、好奇心にあふれた一冊。(真)
●マルコ・バルツァーノ 著 関口英子 訳●新潮社(2024年1月)●19.3×13.2cm/254頁●定価2,150円(税込2,365円)
北イタリア、ドイツ語圏のクロン村を舞台に、ファシズムの台頭、ナチズムの支配、第二次世界大戦と時代の波に翻弄された女性の物語。最愛の娘との生き別れ、夫のドイツ軍入隊拒否により余儀なくされた山中での逃亡生活、ダム湖に沈む村からの立ち退きなど次々に襲いかかる困難を乗り越えていく姿は胸に迫るものがあります。実在したクロン村と水没を免れた教会の鐘楼がそびえるレジア湖に思いを馳せながら読んでいると、声なき声が静かに訴えかけてくる気がしてきます。(桂)
●西東三鬼 著●新潮社(2019年7月)●15.1×10.6cm/191頁●定価490円(税込539円)
「東京の何もかもから脱走した」筆者が選んだのは「『非国民』の掃き溜」のようなホテルでした。親友のエジプト人、娼婦たち、白系ロシア人……謎多き人物たちと関わった著者の回想録です。戦時下の神戸に多国籍社会が存在し、貧しさの中で助け合い生きたコスモポリタンたちがいたことに驚きます。さらに感嘆したのは、性別、職業、国籍にとらわれることなく交わり、悪人をも愛情をもって受け止めた筆者の眼差しそのもの。市民とは、自由とは、多様性とは何かを考えさせる傑作です。(法)
●柚木沙弥郎 著 小林真理 編著●パイ インターナショナル(2024年2月)●25.7×19.2m/203頁●定価2,800円(税込3,080円)
型染染色家で美術家の柚木沙弥郎。版画、ガラス絵、ポスターなど多くの作品を残すが、本書では絵本や装丁など本を中心に紹介。70歳を過ぎて取り組んだ絵本製作は、そのみずみずしい感性と、表現することを存分に楽しんでいることが作品からあふれ出している。独創的で大胆な色遣いと素朴な作風に時を忘れてみとれてしまう。なんとも言えない温かさは柚木のわくわくした心そのものなのだろう。(美)