出荷前には、牛の体重を計測し、体に付着した泥やフンを取り除きます
生活クラブの牛肉「キタノチカラウシ」は、肉の旨みがギュッと詰まった食べごたえのある赤身の牛肉です。肉となる牛は、乳牛(ホルスタイン)から生まれたオスで、飼育から加工までを提携生産者の北海道チクレンが一貫管理しています。
今回は、北海道十勝地方、芽室(めむろ)町にある美生(びせい)ファームの、牛一頭一頭にていねいに向きあって育てる姿勢や思いを紹介します。
撮影:日本大学芸術学部産学連携プロジェクト2025年
今週のキタノチカラウシ
横に動かすと他の品目も見られます
日々の観察で「ちょうどいい」を見極める
美生ファームでは主に生後7~8ヶ月の「素牛(もとうし)」と呼ばれる牛を肥育して出荷しています。
生産者の阿部俊さんの朝は、餌の量を測りながら、一頭ずつていねいに観察することから始まります。「定時・定量を守ること。牛それぞれの“ちょうどいい”を見極めるのが一番難しい」と話します。「最初のころは、餌を食べさせれば食べるほど大きくなると思っていたのですが、全然違いました。いっぱいあげるとお腹がいっぱいになって、その状態が長く続くと餌を食べなくなり、逆に大きくならないっていう事態になるんです。」
その加減を見極めるのは、データではなく日々の観察だといいます。より良い肉を作るために何も妥協しない、隠れた努力がそこにはあります。
左から 佐藤さん、阿部俊さん・琴美さん
牛の耳につけたタグで、個体の管理を行なっています
阿部さんから牧場の説明を受ける学生たち
牛を送り出す最後まで丁寧に
牛を送り出す時も、牛が傷つかないように最後まで丁寧に扱います。次の現場にバトンを繋げるため、牛の体重を測り、体に付着した泥を削ぎ落とし、落ち着きのない牛も雑に扱うことなく出荷用の囲いに歩かせます。
「この子達が良い肉として届けば、それでいいんです。最後まで徹底した管理で送り届ける、そこは絶対譲れません」と阿部さん。
「良い肉って、“おいしい”より“幸せだ”って思える肉だと思うんです」
誰かの「おいしい」と言う幸福に応えようというモチベーションに支えられたその言葉に迷いはありません。
“食べる人”を想って
阿部さんは「安い方が助かるのは分かります。自分が消費者だったら、安い肉を買ってしまうかもしれない。でも、安い=良いじゃない。自分でも、今育てている牛なら、少し高くても買いたいと思う。自分自身は本当に牛に対しての妥協はしないし、マンネリ化もさせません」と力強く語ります。さらに「肉の脂身が苦手な人でもおいしいって思える肉をつくりたい」とのこと。
”食べる人”を想いながら、一頭一頭に向きあう日々の積み重ねが、キタノチカラウシのおいしさにつながっています。
美生ファームの概要
北海道十勝地方、芽室町にある肥育牧場。生後7~8ヶ月の素牛約850頭を出荷まで飼育。牛の成長にあわせて、大きさの異なる牛舎で育てています。
生活クラブ×日本大学芸術学部
生活クラブでは、2023年から日本大学芸術学部(以下、日藝)の学生と産学連携プロジェクトを実施しています。2025年のテーマは「国内自給」。学生たちが生活クラブの牛肉の生産者・北海道チクレン農業協同組合連合会(以下、チクレン)と畜産農家のもとに赴き、牛肉の生産の現場について取材した内容を、全4回でお届けします(学生たちが取材した内容を基に一部編集しています)。
高たんぱくで低脂質な赤身牛肉
日本ではサシ(脂肪)の入った霜降り肉が高級とされますが、肉質に影響するのが牛の飼料です。北海道チクレンでは子牛の時に牧草などの「粗飼料」をあたえた後、肉がやわらかくなるように穀物などを配合した「濃厚飼料」を食べさせて育てています。キタノチカラウシは高たんぱくで低脂質が特徴の良質な赤身の牛肉です。
※2026年10月1回企画(2026年9月21日掲載)
※本記事は、掲載時点の情報に基づいて制作しています。掲載後の状況の変化により、記事内で紹介している内容が現在の状況と異なる場合があります。掲載から時間が経った記事をお読みになる際は、あらかじめご留意ください。
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