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●田中亮 著●東京美術(2024年3月)●25.7×18.4cm/95頁●定価2,200円(税込2,420円)
書に興味はあるものの、読めない……と思い込んでいましたが、「読もうとしないでください」の一文が。そして書き手と心を通わせるために「手のひらに指先でなぞる」手のひら臨書の提案も。墨の濃淡、かすれ具合を意識して手のひらの上に文字を書いてみると、なるほど、書き手の心の高ぶり、落ち着きが伝わってくるようです。「書は立体表現」だったのですね。目から鱗が何枚も!(水)
●神永曉 監修●講談社(2023年8月)●29.4×21.8cm/47頁●定価2,500円(税込2,750円)※対象年齢:小学校中学年から大人
「日本のことばずかん」花編。花にまつわる伝え残したい日本語を、美しい写真や文学・芸術作品とともに100点以上紹介しています。日本人は四季の移ろいの中で、花や草木を行事、ことわざ、文様、和歌などに取り入れて、暮らしのさまざまな場面に彩りを添えてきました。桜の咲き方だけでも「初ざくら」「花の雲」「なごりの花」など多様にあり、長く深く愛でてきたことがわかる一冊です。(瑞)
●早坂優子 著●視覚デザイン研究所(2014年12月)●21×14.9cm/127頁●定価1,500円(税込1,650円)
古代から時代とともに変遷した和の色。欧州三都市での講演をもとに構成された本は、わかりやすくおもしろい。華やかな貴族好みや渋い武家好みなど、繊細で豊かな色彩感覚や優美な色名。戦乱の時代には色名が極端に少ない、鼠色を加えるとどんな色も穏やかで粋になるなど初めて知ることも。いにしえの日本人の感性に驚きつつページをめくれば、写真やイラスト満載の美しい色の世界がひろがります。(空)
●笠原将弘 著●主婦の友社(2023年10月)●21×15cm/135頁●定価1,400円(税込1,540円)
頑張らなくてもおいしく作れる一汁一飯。みそ汁に入れるのは、とうふ、ねぎに始まり、トマトやしょうが、ベーコン、もやし、バターまで。寒い日は粕汁や豚汁もいいですね。おいしいごはんの炊き方、のっけめし、炊き込みごはん、おにぎりも紹介。どれも簡単に作れて味もピカイチ。冷蔵庫の残り物で気楽に作れるレシピがうれしい。忙しい毎日をおかずいらずの献立で乗り切りましょう。(み)
●川手鮎子 著●自由国民社(2023年11月)●18.8×15cm/399頁●定価1,800円(税込1,980円)
薬剤師で漢方薬局を45年経営している著者が、薬膳の考え方、季節ごとの体調の乱れ、食の観点からの対処法を解説しています。いつもの食事に簡単に入手できる食材を足したり、差し替えたりする「ちょい足し薬膳」なので、気軽に生活に取り入れられます。分厚く情報量が多くても、各項、関連するページの記載があり、すぐに必要な部分だけを読め、便利。手元にあると心強い一冊です。(a)
●千宗屋 著●文化出版局(2022年12月)●21.6×15.5cm/135頁●定価2,200円(税込2,420円)
武者小路千家十五代家元後嗣の著者による、雑誌『ミセス』の連載を書籍化した一冊。毎日和菓子を食す著者が選んだ54個の和菓子。千家ゆかりの器の世界観も味わえます。畳の目を背景にした写真は大変美しく、和菓子に関するエピソードも興味深い。巻末のお菓子とお店の索引にも目を通すと菓子の素晴らしさがより一層伝わります。新年は松屋常盤の「味噌松風」でお祝いします。(薫)
●大西暢夫 著●アリス館(2024年4月)●25.7×19.9cm/40頁●定価1,600円(税込1,760円)※対象年齢:小学校中学年から大人
岩手の山奥にある小山田豆腐店の店主、90歳のミナさんの日々をつづった写真絵本です。毎朝6時間かけて大豆を挽き、山の水を使い、薪で焚く。手間を惜しまず、すべて手作業で作られる豆腐の美味しそうなこと。目の不自由なミナさんは助けてもらった恩返しに豆腐屋を始めたそう。皆に美味しいものを食べてもらいたい、ミナさんの豆腐にはそんな願いが込められているのかもしれません。(C)
●パク・ソンフン 著●SBクリエイティブ(2023年2月)●21×15cm/143頁●定価1,400円(税込1,540円)
肩こりは胸と背中を伸ばす、膝痛は足首をもむ……この本には単に患部をほぐすのではなく、痛みの出ている骨格につながる「筋肉」(原因)に着目したストレッチや筋トレが紹介されています。眼精疲労、天気痛などの体の不調から、シワ、たるみなど美容の悩みまで、試してみたいものがたくさん。いつまでも若々しくあるための姿勢や食事のアドバイスも。自分の不調は自分の手で治しましょう!(a)
●森川すいめい 著●講談社(2021年4月)●17.3×10.8cm/211頁●定価900円(税込990円)
オープンダイアローグ発祥の地フィンランドでは、その実践により精神に困難を抱えた人の8割が回復しているのだそう。「その人のいないところで、その人のことを話さない」「対等の関係性の中で話す」。オープンダイアローグの考え方は、精神医療はもとより、学校や職場、自治体、家族の中にも応用できる。医師である著者自身の変化が正直に語られ、開かれた対話の価値を感じました。(亜)
●戸田山和久 著●NHK出版(2022年1月)●18.2×13cm/347頁●定価1,400円(税込1,540円)
「論文」と聞くと身構えてしまいますが、論文を書く力は、課題をあきらかにし、自分の考えを伝え、人と人とが建設的な話をするための基礎教養と言えます。本書では、架空の学生ヘタ夫くんと先生のユーモラスな対話を楽しみながら、論文のイロハから仕上げまで一気に学べます。子どもの論文学習はもちろん、うれしいことに、私自身の学び直しとして会社や地域での仕事に役立っています。(法)
●松井孝 監修 関野正 指導●主婦の友社(初版:2017年5月/新装版:2024年4月)●23.5×18.4cm/159頁●定価1,500円(税込1,650円)
地味な鉢に植えた松は興味ないわなんて思っていたらもったいない。サクラ、グミ、クチナシ、アジサイなど花や実をつける盆栽たちの愛らしさも見てほしい。何十年、何百年と愛されてきた樹の堂々とした姿は時を忘れて見入ってしまう。本を見ながらモミジの幼木を仕立ててみました。植えつけ、水やり、置き場所がわかりやすく書かれ、手入れカレンダーも便利で順調に育てられています。(友)
●越膳夕香 著●エクスナレッジ(2022年7月)●24.5×19.1cm/87頁●定価1,500円(税込1,650円)
表紙のネックレスに一目ぼれ!シンプルな形のモチーフをつなげたアクセサリーです。自分好みの糸とかぎ針さえあれば、くさり編みとこま編みで気軽に作れます。残り糸やラメ入り糸での試作は〈本選びの会〉でも好評。糸の色や素材、太さに応じて雰囲気が変わるのも楽しい。シンプルなデザインで軽く、金属アレルギーでも安心。汗や汚れもさっと洗えて、作らない手はありません。(空)
●谷川俊太郎 著●ナナロク社(2018年9月)●18.7×12.7cm/109頁●定価1,300円(税込1,430円)
タイトルはお菓子ではなく木の年輪のこと。老人の中にあるバウムクーヘンのような輪っかの連なりには、それぞれに「ハハ」や「イモウト」、「センセイ」や「しじん」、そして「ぼく」がいるという。突然変異をするわけでなく、過去が消えてなくなるわけでもない。ある日次の層が一枚重なってゆくことが老いなのだと、読んでいてすとんと腑に落ちた。夜長にひとり、ふと開きたくなる一冊です。(理)
●堀川波 著●大和書房(2024年5月)●19×15cm/126頁●定価1,500円(税込1,650円)
英国とフィンランド、バルト三国の手仕事をめぐる旅行記。リトアニアでのエアビー(民泊)体験にラトビアでは森の民芸市、フィンランドではマリメッコ食堂、本場のサウナでバルト海に飛び込んで。50代イラストレーター著者の美しいイラストとコラムに胸がときめきます。旅行グッズや服装、スマホアプリの情報で旅支度もバージョンアップ! 自分好みの旅に出かけたいと、背中を押されました。(亜)
●太陽の地図帖編集部 編●平凡社(2020年1月)●25.7×18.3cm/95頁●定価1,200円(税込1,320円)
各地で「さくらももこ展」が開催されるなど、今なお目が離せない作家・さくらももこの世界に触れられる、2020年発行のビジュアルムックです。「小学3年生の学校生活」「懐かしの玩具」「オカルトブーム」など、6つのキーワードごとに『ちびまる子ちゃん』の漫画やエッセイがピックアップされた大特集をはじめ、著者インタビューの再録、仕事場の写真公開など、読み応え満点!(理)
●垣谷美雨 著●KADOKAWA(2023年2月)●14.9×10.5cm/324頁●定価720円(税込792円)
あちこちで聞く免許返納の難しさ。事故を起こさないでほしいと心配する子の思いはなかなか伝わらない。本作は父の頑固さを描くのではなく、息子が対話しながら解決策を探り、家族と友人から地域の人々へも輪を広げ父を支える。男性の主人公から見える社会、女性たちや異世代の暮らし。それぞれの言い分はもっともで、皆が安心できるよう真摯に考える主人公を応援せずにはいられない。(友)
●高野文子 作・絵●福音館書店(2014年2月)●21.6×20.5cm/24頁●定価900円(税込990円)※対象年齢:幼児
夜の「しきぶとんさん」たちは、なんと心強い相棒でしょう。「あさまでひとつおたのみします」とお願いすれば、「まかせろまかせろ」と頼もしい。夜が怖い子も、おねしょが心配な子も、眠れない大人も、この本を読んだら安心して寝られそうです。お世話になったそのあとは、丁寧にお布団をたたんで感謝。シンプルな絵と文が癖になり、とても満たされた気持ちになる絵本です。(あ)
●あべけんじ 作●福音館書店(2024年2月)●19.5×26.8cm/32頁●定価1,000円(税込1,100円)※対象年齢:幼児
しりとりの絵本。「りんご」ときたら次は「ごりら」「らっぱ」と続きますが、この絵本はちょっと違います。「りんご」の次は「りんごりら」だから最後は「りんごりらっぱんだるまきじゃくじゃくり」そして「りんご」へと続きます。一度聞いたら何回でも唱えたくなる魔法の呪文のよう。みんなで声を合わせるともっと楽しい。ゴリラの表情もキュート! おはなし会で盛り上がる人気の絵本です。(由)
●内田莉莎子 再話 佐藤忠良 画●福音館書店(1966年12月)●19.5×26.8cm/28頁●定価1,000円(税込1,100円)※対象年齢:幼児
子のいないおじいさんとおばあさんがいました。ある冬、雪で慈しむように女の子をつくると、なんと娘は動き出したのです。やがて娘が成長し、外の世界に出ていくと……。佐藤忠良さんの繊細な線が描く娘の愛らしいこと、見守るおじいさんおばあさんの幸せそうなこと。愛と孤独と悲しみが高純度で結晶しているこの絵本は、幼子が大人になるまで何度でも読み返せる、まさに古典名作です。(法)
●いわいとしお 作●偕成社(2023年10月)●30.5×21.7cm/32頁●定価1,200円(税込1,320円)※対象年齢:幼児
わが家の7歳息子の愛読書、「100かいだてのいえ」シリーズ最新作!今作の舞台は「ぬま」。主人公はオタマジャクシのウズです。ある風の強い日、大きな岩がウズたちの住む沼にころがり落ち、命の危機にさらされます。ウズは助けを求め、沼の底へと急ぎますが……。今作も見開き2ページ、大迫力のいわいさんワールド全開です!わくわくドキドキの大冒険、ぜひお楽しみください♪(楽)
●マージョリー・ワインマン・シャーマット 文 マーク・シーモント 絵 光吉夏弥 訳●大日本図書(2014年4月)●21.6×15.6cm/64頁●定価1,200円(税込1,320円)※対象年齢:小学生低学年から
「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1作。ある日友だちのアニーから、なくなってしまった犬の絵を探してほしいと依頼があり、名探偵ネートが活躍します。本の中で起こる事件は、子どもたちの日常の中に起こりうることばかりで、解決方法もユニーク。子どもがひとりで楽しみながら読むことのできる作品。絵も豊富で字も大きく、絵本から次のステップへと読書を進める時期に最適。(智)
●なかがわりえこ 作 やまわきゆりこ 絵●福音館書店(1997年10月)●26.6×31.2cm/28頁●定価1,400円(税込1,540円)※対象年齢:幼児
ぐりとぐらの1年間を月ごとに紹介する絵本。新年の希望あふれる1月、そり遊びの2月、雪解けが待ち遠しい3月、入学して期待いっぱいの4月……。ぐりとぐらが、暮らしの中で感じるよろこびや楽しさを丁寧に描き、リズミカルな詩とともに紹介しています。四季には変化があるということ、1年は12か月あるということを知るきっかけにもなりそう。ぐりとぐらと一緒に楽しい1年を!(C)
●谷山彩子 作●あすなろ書房(2020年12月)●20.6×21.4cm/47頁●定価1,400円(税込1,540円)※対象年齢:小学校中学年から
「十二支えほん」といっても鼠がずるをして……というあのお話だけで終わらず、十二支のあれこれを楽しく学べる絵本です。十二支とは中国で作られた〈12でひと回りする数え方〉で、今も暮らしや慣習に深く根付いています。たとえば甲子園、子午線などの言葉もここから来ていると知ってびっくり。この一冊で十二支博士というほどの情報量ですが、総ルビで子どもから大人まで楽しめます。(あ)
●ラニ・ヤマモト 著 朱位昌併 訳●平凡社(2021年11月)●20.7×17.6cm/44頁●定価1,800円(税込1,980円)※対象年齢:幼児から大人
スティーナは寒がり。夏でもアイスを食べないしプールにも行きません。冬は絶対に外に出ず、家の中で暖かく過ごすための装置を発明したり小物を手作りしたり。でも実はちょっとだけ、雪が降る外の様子が気になっているのです。果たしてスティーナは外に出ることができるでしょうか。スティーナの発明品や手作りのアイデアがとてもキュート。手仕事好きの方にもおすすめです。(C)
●ビクター・サントス 文 アンナ・フォルラティ 絵 金原瑞人 訳●西村書店(2024年5月)●28.1×22cm/42頁●定価1,800円(税込1,980円)※対象年齢:小学校中学年から大人
わたしは、ずいぶん長く生きてきた……と始まり、〈わたし〉の正体が明かされないまま進んでいきます。明かされるのは最後。あまりに身近で意識することは滅多にありませんが、〈わたし〉について考える機会をくれる絵本です。本書は、ユネスコ「先住民言語の国際の10年」公式絵本。〈ひとりのわたし〉が消えると〈ひとつの文化〉が消えるそうです。さて、〈わたし〉はだれでしょう? (あ)
●シャルル・ペパン 著 永田千奈 訳●草思社(2024年2月)●15.2×10.5cm/185頁●定価900円(税込990円)
フランスで人気の哲学者が、大学入学資格試験(バカロレア)に必須の哲学を学ぶ高校生のために書いた。紀元前のプラトン、アリストテレスから一気に17世紀デカルトに飛び、時代順に10人の哲学者を、互いの関わり、影響、時代背景などとともに、わかりやすく軽妙に解説。飛んだ間に誕生したキリスト教と、その後の科学の発達との狭間にあって、西欧哲学とは神と人間との関係を考え続けた歴史でもあると私は読み、あらためて腑に落ちた。偉人たちの今なら「アウト」な発言にも触れていておもしろい。西欧哲学はハードルが高い、と思っている大人にも。(戸)
●やまぐちめぐみ 著●mille books(初版:2018年4月/新装版:2023年10月)●21.6×15.6cm/160頁●定価2,000円(税込2,200円)
美しさと優しさ、一方で力強さも感じさせる作風。その世界観に引き込まれます。作者は30代から制作活動を開始し、49歳で永眠。病と闘いながらも描くことを一度も止めず、衰えていく体力と反比例するように作品は迫力を増していったそう。117の作品とエッセイに綴られた彼女が歩んだ道のりは読み手に驚きと感動を与えます。この冬は温かい飲み物とともにじっくり作品集を味わうことに。(薫)
●原田浩二 著●河出書房新社(2024年5月)●18.8×13cm/207頁●定価1,540円(税込1,694円)
PFAS(ピーファス)とは有機フッ素化合物のことで、フッ素樹脂加工された製品やファストフード包装紙にも使われている。化学的には非常に安定していて壊れにくい。分解されにくく、水に溶けやすい。身体の血液成分にもくっつきやすく、外に排出されない。米国では危険性が明らかとなり、4ナノグラム/リットルと規制している。WHOも発がん性物質として認めた。免疫の異常も起こしやすく、子どもの感染症罹患との因果関係の調査もなされている。水汚染の可能性が高いので水道水、井戸が大丈夫か関心を持つことが大切。浄水器を使うことで個人でも除去できる。(晴)
●小林泰明 著●新潮社(2023年9月)●17.3×10.9cm/250頁●定価840円(税込924円)
GAFAと呼ばれる巨大ITが持つ力は強大である。本書では、その力を背景とした、ときに強引とも映るGAFAの振る舞いと、それを規制しようと奮闘する国家の姿が描かれる。米議会公聴会での巨大IT企業トップと議員の攻防の様子など、臨場感にあふれ、彼らの実態を知ろうとする国家の焦りが伝わってくる。規制阻止のためにGAFAが使ったロビー費は年82億円(2022年)にも上り、既存の法律も彼らを止められていない。便利なサービスの裏で貪欲に利益を追求するGAFA。彼らに監視の目が届かなくてよいのかと筆者は問いかける。(M)
●アリッサ・ハーディ 著 相山夏奏 訳 南出和余 解題●明石書店(2023年12月)●18.8×13.3cm/221頁●定価2,400円(税込2,640円)
ランウェイ、インフルエンサー、あるいはサステナブルなどキラキラした言葉を散りばめて、元ファッション・エディターの著者が語るのは、自らが憧れた華やかさとは真逆の現実。ファストファッション業界が最新のトレンドの衣料を安価で大量に製造して利益を上げられるのは、アメリカ国内外の貧民層に虐待レベルの過酷で低賃金の労働を強いているから。リサイクルの美名のもと、他国の環境破壊をも引き起こす。セクハラ、ルッキズム、女性が働く現実など、筆者が描く光と影、どころではない「闇」は深い。日本人の私たちも無縁ではないはず。(戸)
●立花隆 著●中央公論新社(2021年8月)●19.7×13.9cm/222頁●定価1,600円(税込1,760円)
著者の晩年を秘書として支えた実妹が、兄の死後、最後の言葉として、講演、対談などの「肉声」を編んだ一冊。政治、宇宙、脳、臨死体験などあまりに守備範囲が広い著者だが、学生時代は原水爆禁止運動にのめり込む文学青年だった。第一部は「被爆者なき時代に向けて」と題する講演を中心に、戦争、原爆の悲惨さを語る。何度も出てくる「赤い屍体と黒い屍体」という言葉に胸が痛む。第二部は敬愛する大江健三郎とソ連崩壊直後に行なわれた対談。筆者は、我々は核と同様に環境問題からも逃げるのではないか、と問う。30年前の言葉が突き刺さる。(戸)
●オスタップ・スリヴィンスキー 作 ロバート キャンベル 訳著●岩波書店(2023年12月)●18.3×13.6cm/269頁●定価2,000円(税込2,200円)
ある女性は、逃げてくる人々が口にできるものを用意していた。しかし人々は爆撃されてしまう。ここへ来るはずだった人々が逝ってしまった「あちら側」に「何かがあるとしたら、それは世界一おいしいココアに違いないでしょう」と女性は語る。ほんの小さなつぶやきだったろう言葉を、詩人である著者は、ウクライナ語アルファベット順によるKの項へ、『KAKAO(ココア)』と収めます。本を開けば、起承転結にも主観にも縛られぬかけがえのない「真実」が私たちを見つめてくるのです。(法)
●リー・アンダーツ 著●河出書房新社(2023年9月)●18.8×13.2cm/217頁●定価1,670円(税込1,837円)
離れて暮らす母を近くに呼び寄せると、料理、掃除ができず、風呂やトイレも面倒がり、住まいはごみ屋敷化、周りに借金をしまくっていた。「どうして普通の生活ができないの」。手助けをするも変えられないこだわりが。絶望しながらも自らを鼓舞し語れたのは、地域に居場所があったから。著者はオルタナティブ福祉という座談会を主催し、皆で皆を理解しあう場をつくっている。身内だからこそのマイナス感情がゼロになるまでの葛藤を赤裸々に記録。人と人の関わりを考えさせられた。(美)
●シルヴァン・テッソン 著 高柳和美 訳●みすず書房(2023年1月)●19.4×13.5cm/275頁●定価3,600円(税込3,960円)
便利さや快適さに漬かっている生活から逃れたい、そんな風に思ったことはありませんか。フランス人の冒険家テッソン氏はシベリアの奥地バイカル湖の岸辺で隠遁生活を始めます。凍った湖の上を歩き、魚釣り。雪が吹きすさぶ音に耳をすませ、夜は灯をともす。小屋の中ではウォッカと読書。春が訪れ湖が姿を現し、虫が蠢き動物が躍動する。ひとり孤独の中にあって氏の内省は縦横無尽に伸びていきます。冬は冬、春は春を味わい、今そこにいることを愉しむ姿に心揺さぶられました。(水)
●中島京子 訳●河出書房新社(2024年3月)●14.9×10.5cm/167頁●定価700円(税込770円)
作者も書かれた年代もまちまちという11編の作品からなる日本最古の短編物語集。美しい姫君をさらってきたと思ったらなんと姫君の祖母だったり……虫好きの変わり者の姫君の話あり、姉妹を取り違えて通う少将の話や、旅道具の借用を求める僧侶の手紙など、作品はバラエティに富んでいる。思わずクスリと笑ってしまう可笑しさとオチのおもしろさを、中島京子さんのわかりやすい現代語訳で楽しむことができます。頻出する和歌を31文字の現代短歌に訳しているのも読みやすい。(桂)
●菅瀬晶子 文 平澤朋子 絵●福音館書店(2024年6月)●25×19.1cm/40頁●定価736円(税込810円)※対象年齢:小学校中学年から
ウンム・アーザルはユダヤ人の国であるイスラエルでアラブ人として、またキリスト教徒として生きてきました。彼女の住むハイファはユダヤ人とアラブ人が仲良く暮らす街。4人の子どもを美味しい料理で育てあげ、現在は近所の大家族の食事の準備を手伝い、近々結婚する孫に料理を教え、安息日に家族で食べる食事を作ります。紛争だけではない中東の普通の人の暮らしがあります。ぜひご一読を。(洋)
●長谷川修一 著●NHK出版(2023年12月)●21×14.9cm/157頁●定価1,000円(税込1,100円)
なぜユダヤ人は世界の耳目を集めるのか。ユダヤ人とは?本書では紀元前古代史も踏まえて大国に翻弄されたユダ人がユダヤ人になった苦難の歴史を「バビロニア捕囚」を軸にひも解く。捕囚によりさまよう人々は神の言葉を「律法」として遵守することでアイデンティティを保持した。だがその頑なさ、慣習の違いは離散して居住した各地で迫害を招いた。いかに火種は深く複雑なのか、歴史が物語る。(よ)
●藤本和子 著●河出書房新社(2023年6月)●14.9×10.6cm/250頁●定価880円(税込968円)
1977年、著者はヘブライ語を学ぶため、イスラエルの語学学校へ入学。世界各国から集まってきた個性的な人たちと、白っぽい砂地にかこまれた三流ホテルに缶詰めになり、必死で学び始める。占領された土地に住み続けるアラブ人との交流や現地で食べた料理などを通じて、著者は自問し続ける。なぜヘブライ語を学ぶのか? その深い考察は時を経ても、今を生きる私たちへと訴えかける力を持っている。(真)
●コバシイケ子 著●自由国民社(2024年1月)●17.6×12.9cm/367頁●定価1,700円(税込1,870円)
3年間の滞在とその後の交流を通して著者が出会った「素」の台湾が、あふれています。365日、季節ごとの行事や習慣、食べもの、景勝地はもちろん、最新トイレ事情や衣類のリサイクルなど日常生活のすみずみまで紹介されていて、台湾への関心が一気に高まります。地元の人だけが知っている美味しいもの情報も多く、南国フルーツ、特に冷凍ではない生のライチの旬の時期に訪れたいと思いました。(a)
●斉風瑞 著●小学館(2019年3月)●24×18.4cm/95頁●定価1,400円(税込1,540円)
この季節におすすめしたいのが「はまぐりの白菜蒸し」。つぶさないにんにくに、豚バラ肉を乗せて蒸し焼きに。にんにくのホクホク感が、はまぐりのスープとともに冷えた体に温かい。台湾人の両親のもと、生まれも育ちも東京の“ふーみん”さんが作る台湾と日本をミックスした「台湾風家庭料理」。開店した70年代から愛されてきた小さなお店の「ほっとする味」。その神レシピをおうちで(深)
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