本
●鈴木俊貴 著●小学館(2025年1月)●18.8×13.1cm/263頁●定価1,700円(税込1,870円)
鳥が言葉を使っていることをご存じでしたか?この本を読んで、鳥の声に耳をすますようになりました。親鳥はひなに危険を知らせる声を、ヘビとカラスが来た場合で変えるのです!動物言語学とはいえ、わかりやすい文章で家族で楽しめます。1か月白米だけの食生活で40個の巣箱を観察する苦労もなんのその。その好奇心は幼いころからだそう。著者の今後の活躍に期待。超おすすめの本です。(み)
●山田奈美 著●家の光協会(2025年8月)●25.7×18.3cm/95頁●定価1,600円(税込1,760円)
ホントに簡単!これでいいんだ!とうれしくなる薬膳のレシピ集。季節ごとの体を整えるレシピ、症状別の不調を改善するレシピを紹介しています。旬の食材と常備している調味料を使い、調理の手順も3つだけでOKという手軽さ。これなら忙しいときでも作れそう。梅干しやショウガを効果的に使ったり、塩麹などの発酵食材を加えてアクセントに。この夏は、夏野菜+酸味のレシピで体を整えます。(玲)
●小田真規子 料理 大野正人 文●文響社(2015年10月)●21×15cm/135頁●定価1,600円(税込1,760円)
「朝食は大切」とわかっていても、朝の慌ただしさに、とれない人もいるのでは? この本があれば確実に朝食を自分の手で準備でき、朝が楽しくなること間違いなし! こんなに簡単ならやってみようかなと思えます。「基本の料理にひと工夫。5分以内で完成!洗い物はなるべく減らす」からこそ実践できるレシピの数々。卵を味方に、39のトーストレシピ、味噌汁の具材カレンダーも参考に。 (薫)
●昭文社 編●昭文社(2025年10月)●25.7×21.3cm/127頁●定価1,200円(税込1,320円)
東京で世界のおいしい料理が食べられます。約80もの国のレストランを路線図とともに紹介。カラフルな写真で見る知らない国の料理に思わずお腹が鳴りました。シエラレオネってどこ?から始まり、その郷土料理を知る。そんな楽しい旅もありですね。スパイスの効いたビリヤニやモレポブラーノ、パン・デ・ローというスイーツなど食べてみたいものがたくさん。全店訪問してみたい。(み)
●天野惠子 監修●宝島社(2025年5月)●29.7×21cm/95頁●定価1,200円(税込1,320円)
1942年生まれの現役の女医・天野惠子先生。ご自身の経験とともに、医学的知識を紹介。簡潔でわかりやすく、文字が大きく読みやすい。「先生の元気と若さ9つの秘訣」はすぐにでも取り入れたい内容。性差を考慮した「女性外来」を日本に根付かせた先生は、女性のQOLを高めました。「とくに異常はない」と診断されモヤモヤしている方は、巻末の女性外来リストを参考に受診を。(深)
●川島蓉子 著●ミシマ社(2025年8月)●18.8×13cm/237頁●定価1,800円(税込1,980円)
ファッション業界でディレクターとして、その後ジャーナリストとして活躍され、昨年急逝された川島さんの自伝的エッセイ。1961年生まれ、「セクハラ」「パワハラ」という言葉もなかった時代の、家庭・子育て・上司と部下など、働く女性に立ちはだかる壁をリアルにつづる。「やりたいこと、のち、おカネ」などタイトルもうまい。時代が違ってもそのエピソードに共感を覚える人は多いはず。(深)
●安藤なつ 著 まめこ マンガ●主婦と生活社(2024年2月)●21×14.8cm/143頁●定価1,500円(税込1,650円)
小さいころから介護が身近にあった安藤さん。お笑い活動のかたわら介護福祉士の資格も取り、気づけば20年介護に携わっていた。きつくてしんどいイメージがある仕事だが楽しさや魅力もいっぱいだという。夜の訪問介護で「バケモノ!」と叫ばれた事件など驚きのエピソードも満載だ。介護福祉士ら専門家との対談も読み応えがあり勉強になる。介護という仕事の新たな視点をくれる本。(星)
●内田樹+三砂ちづる 著●晶文社(2023年10月)●18.8×13cm/332頁●定価1,800円(税込1,980円)
男手ひとつで女の子を育てた内田先生と、女手ひとつで男の子を育てた三砂先生の往復書簡という形の子育て論。子育ての目標は子どもを成熟させること。そのためには子どもを愛する以上に「敬意を以て接すること」が大切だと言います。「信用できる大人」と「信用できない大人」がいることをどう教えるべきか、不登校が増えている学校制度の考察なども興味深いです。子育てが気になる方必読!(由)
●鈴木智順 著●青春出版社(2025年8月)●17.4×10.8cm/189頁●定価1,190円(税込1,309円)
生物界の頂点に立つのは人間、と思いがちだが、地球を動かすのは実は微生物たちだ。地球に最初に誕生した生命が微生物、かれらが酸素を作り出しそれを必要とする動物が地上に現れた。ウシやゾウなどが草だけで生きられるのも、ヒトが健康で生きられるのもかれらのおかげ。さらに微生物は地球の物質循環の中心的役割も果たす。そんな微生物の知られざる驚きの世界を訪れてみませんか。(か)
●アップルミンツ 編●日本ヴォーグ社(2025年4月)●25.7×21cm/64頁●定価1,500円(税込1,650円)
外出時、スマホの持ち歩きでお悩みのみなさん、ショルダーバッグをかぎ針で編みませんか?作品数は30種類。編み目も編み方も特別難しいものはなく、小さな作品なので完成までの時間も材料費もそれほどかかりません。ファッションや季節に合わせ、好みの色や材質の毛糸で、世界で唯一の物を身につけるのも楽しそう。ポシェットとしても機能するのでプレゼントにも向いています。(瑞)
●増田由希子 著●家の光協会(2025年2月)●21×14.8cm/143頁●定価1,800円(税込1,980円)
「八ヶ岳のような自然の風景をいつでも眺めていたい」。そんな思いから自宅の庭づくりを始めた著者。三方を家屋に囲まれ日照が少ない環境でも育つ品種を選び、レイアウトも工夫しながら10年かけて理想の風景が実現できたという。コンパクトながらグリーンを基調にしたシックな庭には、四季折々の樹木や草花が咲き乱れる。育てた植物を飾って食べて、暮らしに取り入れる手仕事も楽しそう。(万)
●森まゆみ 著●朝日新聞出版(2025年3月)●18×13cm/590頁●定価2,600円(税込2,860円)
雑誌「谷中・根津・千駄木」(通称「谷根千」、2009年終刊)の編集人が、変化の大きいその地域で何十年も続くお店を丁寧に取材した一冊。7年にわたる取材で60軒を超えてしまったのは、「この仕事が楽しすぎたから」という。営む人の人間模様が詰まり、読み応え十分。江戸千代紙、手書き提灯、炭火焼のせんべい、藝大の近くなので画材屋さんも多い。どこから訪れてみましょうか。(a)
●ヨシムラマリ+トヨオカアキヒコ 著●エクスナレッジ(2025年6月)●21×15cm/191頁●定価1,800円(税込1,980円)
「宿題あるのにやめられない」と中学生も夢中で読んでいました。最新の文房具の進化には驚かされるはず。修正液は液の出方がノックで調整できるペン型や乾燥不用ですぐに上書きできるテープ型になっています。シャープペンシルと好きな色のボールペンを自由に組み合わせられる四役ペンは中高生に大人気。メーカーの高い技術が詰まった便利すぎる文房具の開発秘話をお楽しみください。(友)
●ハン・ガン 著 きむふな 訳●評論社(2025年8月)●18.8×12.8cm/85頁●定価1,500円(税込1,650円)
ある村に「涙つぼ」と呼ばれる子どもがいた。思いがけない瞬間に涙を流すからだ。ある日、涙を集めて歩く男が村にやってくる。男は世界で最も美しい「純粋な涙」を探していた。「涙つぼ」は、男とともに「純粋な涙」を探す旅に出る。泣くことの意味や涙の尊さをそっと教えてくれる物語。韓国では子どもから大人まで愛されている作品。初めて出会うハン・ガン作品としてもおすすめ。(C)
●木下龍也 著●講談社(2024年11月)●19.3×13.5cm/185頁●定価1,600円(税込1,760円)
文芸誌『群像』に連載中の「群像短歌部」を書籍化。ひとつのテーマに関して、読者と著者自らが短歌を作ります。そして採用歌の何が「すごい」のかを、著者が読み解きます。同時に著者自身が自作の短歌について「発想、推敲、完成」までの過程を言語化します。「群れ」「夏」「ガム」といったテーマからどんな歌が詠まれたか。詠み手の気持ちを慮る著者の想像力の豊かさにも感嘆しました。(薫)
●大塚健太 文 出口かずみ 絵 鈴木俊貴 監修●世界文化社(2023年5月)●24.6×20.7cm/32頁●定価1,500円(税込1,650円)※対象年齢:幼児から
世界で一番おいしい木の実を採りに仲間と山へ向かった忍者シジュウカラのすけ。そこに待ち受けるのは……。シジュウカラの鳴き声一つひとつに意味があり、言葉になっていることを証明した鈴木俊貴さん監修の絵本。種を越えて巧みに鳴き声で意思疎通し、協力し合って暮らす鳥たちの世界がイキイキと描かれています。この本を読んで親子で散歩に出かけたら、ことり忍者を探してしまうかも。(a)
●赤澤豊 他 監修 てづかあけみ 絵●パイ インターナショナル(2022年6月)●15.7×15.8cm/83頁●定価900円(税込990円)※対象年齢:幼児から
てづかあけみの「はじめての」シリーズのSNS連載が絵本化されました。「はじめて」何かをしたときや出会ったときに、人は心が動いてもっと知りたいと興味を持ちます。「はじめて海を見た日」「はじめて歯が抜けた日」など、39テーマの驚きや感動の瞬間とともに感じた疑問を紹介し、わかりやすい絵と文で答えます。寝る前やおでかけの合間の気軽な読み聞かせに、親子で楽しめる絵本です。(春)
●キム・ジョンソン 作 せなあいこ 訳●評論社(2024年5月)●25.1×21.2cm/36頁●定価1,800円(税込1,980円) ※対象年齢:幼児から
女の子がイヌと一緒に曇り空を見上げています。雨が降るのを心配しているのでしょうか。いいえ、その反対。雨を待っているのです。お気に入りの黄色いコートと長靴を身に着け、傘を手に外に出て、まだかな、まだかなと待っているうちに、空には少しずつ晴れ間が……。雨を待ち焦がれる様子、がっかりした後ろ姿、降ってきたときのうれしそうな顔、子どもらしさがあふれています。(七)
●荻原規子 著●徳間書店(2024年11月)●14.8×10.5cm/541頁●定価1,000円(税込1,100円)
舞台は古代日本。輝(かぐ)の大御神の双子の御子と闇の氏族が戦う戦乱の世。闇の巫女・狭也(さや)は輝の御子稚羽矢(ちはや)と出会い、過酷な運命に翻弄されていきます。豊かな自然に囲まれ、死と隣合わせに生きてきた縄文人と、大陸から技術をもって渡ってきた人々との交流で醸成された日本文化。こんなドラマがあったかもしれません。読み始めたら止まらない傑作ファンタジーを美しい装画の新装版でどうぞ。(由)
●蔡皋 作・絵 石田稔 訳●徳間書店(2025年8月)●26.1×26.1cm/41頁●定価2,200円(税込2,420円) ※対象年齢:小学校低学年から
働き者の青年アツォワンは、絵から現れた美しい娘アツァイと夫婦になり、仲良く暮らしていました。アツァイには紙で鳥や馬を生み出す不思議な力がありました。あるとき、欲張りな皇帝がアツァイの美しさと力に気づき、無理難題を押しつけてきて……。中国のミャオ族に伝わる民話をもとに描かれた物語。ミャオ族の伝統や文化が色彩豊かに広がり、民話の魅力を存分に味わえる一冊です。(C)
●エリザベス・ズーノン 作 千葉茂樹 訳●あすなろ書房(2025年6月)●26×25.8cm/42頁●定価1,800円(税込1,980円) ※対象年齢:小学校中学年から
マリ北部タウデニから750キロ離れたトンブクトゥまで、ラクダのキャラバンでサハラ砂漠を縦断して塩を運ぶ「アザライ」。現在も続く伝統的な儀式に初めて挑む少年マリクは、塩を食料などと交換し、砂嵐の危機を乗り越え目的地をめざします。過酷な砂漠に暮らす人々のたくましさに親子で魅了され、巻末の解説まで一気に読みました。人にも動植物にも不可欠な塩への理解も深まります。(楽)
●おーなり由子 作●偕成社(2025年11月)●20.6×18.8cm/48頁●定価1,500円(税込1,650円) ※対象年齢:小学校低学年から
親子や家族、友だち、恋人同士の出会いのハグやさよならのハグ、悲しいときやうれしいときのハグ、たくさんのハグがあります。ハグをすると、生まれる前、子宮にいたころに聞いた心臓の音が聞こえます。触れ合うことができなくても、目と目、手と手でつながって、心と心に橋がかかり、相手を大事に思えたら……。今、この世界に必要なのは、お互いを認め合うハグ、そう強く感じます。(七)
●青山邦彦 著 加賀谷哲朗 監修●学芸出版社(2025年10月)●30.4×21.5cm/32頁●定価1,600円(税込1,760円) ※対象年齢:小学校低学年から中学生
高知県にある伝説のマンションの誕生物語が絵本になりました。大工の夫婦が二人で建て始め、施工開始から56年が経った今も子や孫、住人たちが手を入れながら暮らしている「沢田マンション」の魅力がたっぷり。簡潔な言葉と細かく描き込まれた絵がわかりやすく、突っ込みを入れつつ読むのが楽しい一冊です。自由な大人の姿を意気に感じてくれる小学校高学年から中学生に届けたい!(理)
●別冊太陽編集部 編●平凡社(2024年12月)●29×22cm/127頁●定価1,900円(税込2,090円)
ビラ・ビアンカ、川口アパートメント、秀和マンション……日本の住宅遺産ともいえる憧れのヴィンテージマンションの代表作が一冊に。安西水丸、青江三奈、ドナルド・キーンら著名人たちのエピソードや建物の変遷も。効率重視の画一的な現代とは対極にある文化的な建物は、タイルや屋根瓦、外壁まで遊び心に満ち写真を眺めているだけでも楽しい。歴史や経済背景まで学べるのはこの本ならでは。(亜)
●JTBパブリッシング 編●JTBパブリッシング(2025年3月)●24.4×18.2cm/111頁●定価1,000円(税込1,100円)
健康には1日60分以上の歩行、8000歩(約5・6キロ=約1時間20分)がちょうどいい!5000歩、10000歩コースも合わせた全40コースを紹介。「るるぶ」とあってコンパクトにまとめられた案内が参考に。羽田空港近辺で非日常を味わうのもよし、都心の定番や旬のエリアの散策、おなじみの中央線沿線も愉しそう。小腹を満たす飲食店を楽しみに、さぁぶらりしましょう。(薫)
●フレデリック・グロ 著 谷口亜沙子 訳●山と溪谷社(2025年3月)●21×15cm/303頁●定価2,400円(税込2,640円)
なにげない日常の「歩く」ことを、著名な思想家・哲学者・文学者・詩人などのさまざまなエピソードから考えます。「やむにやまれぬ逃走の欲求(ランボー)」「孤独な歩行者の白昼夢(ルソー)」「なぜわたしは こんなによい歩行者なのか(ニーチェ)」など。筆者はパリ政治学院教授。世界で21の言語に翻訳され、フランスでベストセラーに。哲学という言葉に敷居の高さを感じますが、内容はエッセイを読むよう。旅に出て日常とは違った風景と出会ったような読後感があります。(深)
●暮しの手帖社 編●暮しの手帖社(2026年5月)●28×21cm/176頁●定価1,200円(税込1,320円)
夏バテをしないように元気を出したいときこそごはんを。韓国出身の料理家キム・ナレさんが「プルコギ鍋」「きゅうりの冷や汁」など、ごはんが進むおかずをおしえてくれます。「分とく山」の元総料理長・野崎洋光さんからは、忙しい人や高齢の方にもおすすめの気楽な家庭料理。愛用の日傘を紹介する「日傘の似合うひと」、手芸記事「和紙で作るアクセサリー」も夏に向けておすすめです。(芙)
●山田英生 編●筑摩書房(2025年6月)●14.8×10.5cm/383頁●定価940円(税込1,034円)
水木しげるら巨匠から今日マチ子といった若手まで多様な作家12人による戦争漫画のアンソロジー。南方での死の行軍、軍隊にはびこる暴力、従軍慰安婦、ひめゆりの女学生たち、満州からの引き揚げ、シベリア抑留、友軍に蹂躙された沖縄住民……。理不尽な残酷さに言葉を失った。手に取りやすくかつ強い印象が残るのは漫画だからこそ。豊饒な「語り」を通じて、そこに生きた人々の息遣いを描く。(星)
●ヴェンカトラマン・ラマクリシュナン 著 土方奈美 訳●日経BP(2025年1月)●18.8×13.3cm/398頁●定価2,200円(税込2,420円)
インド生まれのノーベル化学賞受賞の生物学者が語る「死の謎」とは? 本書では分子生物学の最新の知見をもとに、細胞・遺伝子など生命の基本から人体の不思議までも解説しながらひもとく。近年急速に進む寿命や不老の研究。IT長者などもビジネスとして参入し、莫大な投資を開始。だが巨額の資金や規制、倫理の問題が山積みで前途多難だ。さらに高齢化で社会保障費が増大し財政難の政府を巻き込み、事態はますます複雑に。仮に、より長寿が実現しても超高齢化社会はさらなる格差や分裂・分断の拡大を招くと警鐘を鳴らす。はてさて長寿の秘訣とは?(よ)
●姫岡とし子 著●岩波書店(2024年2月)●17.3×10.8cm/233頁●定価960円(税込1,056円)
フェミニズム運動によって、女性史・ジェンダー史研究が進んできた。女性は世界的にも特別な場合以外、通史の中では扱われてこなかった。本書では、女性史研究自体が歴史学の中でどう扱われてきたかを前半で、後半は労働、植民地・戦争・レイシズム、身体などの女性の歴史を具体的に考察する。歴史の裏側で生きさせられた女性たち。行き過ぎた資本主義と言われる現在、ないがしろにされがちな生活史・民衆史である女性史を新たな視点で見直すことは重要で意義深いと思う。史実も視点によって変化する歴史学という学問に対する考察も興味深い。(戸)
●保阪正康+白井聡 著●朝日新聞出版(2025年8月)●17.2×10.8cm/250頁●定価900円(税込990円)
昭和史研究の第一人者と気鋭の政治学者が、戦後80年の時代を忖度なく縦横に語り合う。占領軍政策と昭和天皇の関係、戦後の歴代首相(吉田茂、岸信介、田中角栄、安倍晋三など)の評価、この期間に確立した米国従属の永久化、さらに天皇と政治の関わりについても論ずる。これらから見えてくるのは、公に誰も戦争責任を取らず、敗戦を終戦と言い、経済成長に目を奪われ、自らの侵略行為にきちんと向き合わず、曖昧に「戦前」を引きずった「戦後」である。乗り越えられるべき「戦後」、保全されるべき「戦後」を見定めるのに本書が役立つことを著者は願う。(か)
●中村桂子 著●藤原書店(2025年1月)●18.8×12.2cm/276頁●定価2,200円(税込2,420円)
生命誌研究者として著名な著者が、人類の、地球のこれからを考えようと、半世紀にわたる自らの書評を集めて振り返る。現代は気候変動、経済活動による格差、世界中を巻き込む戦争の時代に突入。社会はよくない方向に変わりつつあると感じられる。科学は日進月歩だが、古いものにかえって本質的な問いがある場合も多い。本のテーマは科学、AIのみならず地球の今、こころ、子どもなど多岐にわたる。ここに集められた59冊には「人間は生きものであり、自然の一部」という生命誌の基本と、人間という存在を愛し信じたいという著者の思いが感じられる。(洋)
●佐久間文子 著●芸術新聞社(2024年11月)●19.5×13.5cm/351頁●定価3,000円(税込3,300円)
長崎で十代の両親の元に生まれ、貧困から小学校を中退し、工場で働き始める。その後、職を転々とし、玉の輿婚を経て、心中未遂、離婚、作家デビュー、再婚、共産主義活動、従軍作家として活動、共産党入党・離党。プロレタリア作家・佐多稲子の波乱に満ちた人生を描く。生来の才気、美貌に加えて、努力の人であり、多くの人を惹きつけた。書くことで日々の困難を乗り越えてきた作家のすごみが胸を打つ。芥川龍之介、中野重治、壺井栄など、著名な作家との交流も印象深い。(戸)
●江戸川乱歩 作 川北亮司 現代語訳●理論社(2024年9月)●19.5×13.5cm/159頁●定価1,500円(税込1,650円) ※対象年齢:小学校高学年から
誰もが知る名作「人間椅子」をはじめ、乱歩の魔力が凝縮された傑作4編を収録。執拗なまでの状況描写は、まるで現場にいあわせているかのように感じます。読み進めるほどに現実が浸食され、気づけば異世界へ引きずり込まれます。 予想を裏切る結末に、恐怖を通り越して思わず笑ってしまいました。初めて乱歩に触れる方も、その深淵を注釈不要の現代語訳と丁寧な解説でスラスラと堪能できます。「D坂の殺人事件」「押絵と旅する男」など、奇怪な乱歩の世界をお楽しみください。(美)
●榎本空 著●晶文社(2025年3月)●18.5×13cm/237頁●定価1,800円(税込1,980円)
黒人神学を学んだ米国の、帰郷した沖縄の、 音盤(レコード)と結びついた親密な記憶が語られていく。手触りや匂いを介して連なっていく記憶たち。米社会の移民の息苦しさやブラック・ライブズ・マターのうねりがあり、そして遠い世界からはガザの虐殺も伝えられる。 音盤(レコード)に刻まれたジャズやR&Bは抑圧に声を上げてきた者たちの支えでもあった。遠くの残酷な世界と向き合うにはどうしたらいいのか……自分の日常と世界の繋がりを信じようとする著者の思いを自分ごととして受け取りたい。(水)
●ジョージ・オーウェル 著 高橋和久 訳●早川書房(2009年7月)●15.7×10.5cm/511頁●定価900円(税込990円)
テレスクリーンや密告により監視され、新しい公用語により思考も操作、制限されている社会。真理省で歴史の改ざんを仕事とする主人公ウィンストンは、少しずつ体制に疑問を抱いてゆく。黒髪の娘との出会い、その顛末は……。SNSやフェイクニュースであふれる現代、次第に麻痺していく思考能力。私たちの暮らすこの社会でも現実に起こりうるのではと、より恐ろしく目の前に突きつけられる思いがした。オーウェルの想像したディストピア。すでに幕は明けているのだろうか。(麻)
●矢内賢二 著●講談社(2025年5月)●14.8×10.6cm/244頁●定価1,200円(税込1,320円)
昨年八代目を襲名披露した尾上菊五郎。歴史的名優と謳われたその五代目を軸に、明治動乱期における歌舞伎の姿を活写!「素走ッこい人悦ばせの菊五郎」は、江戸っ子らしい粋で華やかな人柄そのままに文明開化の奇抜な事象を次々舞台にかけていく。散切り頭に洋装、果ては英語の口上まで飛び出したとか。今では想像もつかない自由奔放で「キッチュな見世物」に心躍りました。(空)
●服部幸雄 文 一ノ関圭 絵●岩波書店(2001年4月)●33×23cm/56頁●定価3,000円(税込3,300円) ※対象年齢:小学校高学年から
まるで江戸時代にタイムスリップして歌舞伎の舞台を見ているかのような、臨場感が楽しめる大型絵本。船乗り込み、大道具作りから始まり、初日の賑わい、客の目の前で繰り広げられる大がかりな仕掛け、楽屋の風景ほか、興行の一連が学術的な裏付け・取材のもとに描かれています。ガイドは見習い少年・千松。役者や観客、裏方が入り乱れる喧噪のなか、千松君がどこにいるか探すのも楽しいです。(き)
●箕曲在弘 著●大和書房(2024年12月)●18.8×13.1cm/287頁●定価1,800円(税込1,980円)
「文化とは何か」をベースに、章立てのテーマとキーワードで詳しく解説。「集団と親族」で“ウチ・ヨソ”「家族と血」では“生物学的父”など。一見、はてさて? の世界のようだが読むほどに自身の固定観念がゆるゆると解けていく。「常識とは何か」を考えざるを得なくなってくる。単に異文化を知るのみならず、問い直すことが思考を豊かにし自由にする、と気づかせてくれる。世界は広いのだ。(よ)
●国立民族学博物館 特別協力 島村一平 監修●平凡社(2025年9月)●29×22cm/159頁●定価2,500円(税込2,750円)
正直なところ、呪術という言葉は「呪」のイメージが強すぎて怖かった……。けれど“みんぱく”で今は文化財として大切に保存されている世界各国の「呪術」は、子の無病息災や魔除け、家内安全など日々の幸せを願うものも多く、そのカタチは時に愛らしくさえあります。無数のテクノロジーを手にしてもなお何かを願わずにはいられない、そんな私たち人類の姿を映し出す鏡をのぞいてみませんか。(法)
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